逗子駅からほど近く、margeは、カフェとセレクトショップでライフスタイルを提案するお店の一角にあります。オーナーの高橋美紀子さんのアレンジメントやブーケは、ひと味違うシックな花材選びから始まります。クリスマスと新年にはさまざまなコニファー(針葉樹)を使ったスワッグやリースが人気です。ちょっとしたアレンジで、一つのスワッグをクリスマスと新年にも楽しめるアイデアも教えてもらいました。
もともとは店鋪をもたずにスタートしたmarge。注文を受けたり、イベントでポップアップをしたり。しかしオーナーの高橋美紀子さんのセンスの良さが口コミで広がり、どんどん求められるように。
「28歳ごろから、都内在住のフラワーデザイナー、恒石小百合さんのところへレッスンに通っていました。最初は趣味だったんです。子どもを産む前も、産んだ後も楽しみで通っていて、出来上がった作品をSNSにアップしたりしていたんです。10年ぐらいレッスンに通った頃、ママ友に『教えてほしい』と言われて。教えるなんて無理、と思っていたのですが、恒石先生に『できますよ。ぜひやってみてください』と言われて、始めました。それが11年ぐらい前かな。自宅でのレッスン、オイチイチでの定期ワークショップ、イベントでのお花の販売をしていました。その後、アミーゴマーケットのオープンと共にshop in shopでの週末のお花屋さんが始まりました」
早朝に自ら花市場に仕入れに行くお花屋さんの仕事はけっこう重労働です。でも人任せにせず、彼女なりの個性を出してきました。
「特徴がある方がいいな、と思いました。花材もベースも自分でセレクトしています。2023年2月から毎月最終週末にGinger Beach InnでPOPUP FlowerStandをさせてもらっていて、今、おかげさまで常設となりました」
エントランスを彩る様々な花材は、落ち着いた色、どこか懐かしいような色。組み合わせると、とてもシックで木の床や塗り壁になじむ感じ。どんな部屋に置かれても主張しすぎず、しかしながら、存在感が。心をときめかせる何かがあります。
今回、高橋さんは大きなスワッグを提案してくれました。
「スワッグやリースは、魔除けや浄化の役目もあるし、幸運を呼ぶアイテムでもあります。私は1年を通して、その季節ごとの花材でスワッグを作っていますが、クリスマスの時期はいつもは出てこない香りの良いコニファー(針葉樹)が出揃います。ボリュームもあるし、油分があってパサパサしないので、長い間飾ってもきれいなままです。ときどき、霧吹きをしてあげると、またもちも良くなりますよ」
使った花材はオレゴンもみ、ブルーバード、ブルーアイスをメインに、ユーカリ、グレビリア。
「メインの3種はちょっと値は張りますが、香りも爽快感がありますし、私はアレルギーも出なかったので。アレルギーのあるなしは人によりますので、そういうこともお知らせいただけるとありがたいです」
なるほど、香りが良いだけではなく、そんな配慮も必要。この時期ならではの、実ものも見た目を楽しませてくれます。
「ドイツトウヒの細長い松ぼっくりや、薔薇のような形のリューカデンドロンの実、ウバユリの実、ユーカリロブスターなど、見ているだけでどこか海外の森にいるような気持ちになれます。枝や葉の形をそのまま生かして、まるで森の中にいるようなイメージに作ることを心がけています。見ていると、気持ちが安らいだり、季節を感じられる。五感に刺激をくれますよ」。
クリスマスだけで片付けてしまうのは勿体無いと、お正月にも飾れるアレンジも考えてもらいました。
「金色の水引で輪っかを作って、かけてみるだけで、ずいぶん印象が変わります。お部屋の雰囲気に合わせて、金色にしたり、錆色のような赤などにしてもいいかも。また南天のような赤い実をつけてみるのもいいですね」
12月1日、2日は逗子のgingerbeachinn_arcade 2Fのカフェスペースでワークショップを、12月5日には鎌倉のGARDEN HOUSE KAMAKURAでワークショップが開催されます。
この季節ならではのコニファーの香りは束ねているときも心地よいもの。ぜひ自分でつくるスワッグにも挑戦してみてはいかがでしょう。
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photo by Yumi Saito
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Text by Aya Mori