動画で観ていても、ヒューヒュー言いたくなるノリ。田村さんのパワフルな歌いっぷりが1時間半も2時間も続くライブはものすごいエネルギーが必要そう。
「歌うことにとって、体のメンテナンスは大きいですね。声帯も筋肉なので、歌わないとカスカスになっちゃう。ライブが運動になっているところはあります。体重を1キロ2キロ増やしておいても終わると戻っていますから。奇声あげて走ってるようなもんですから(笑)。ボーカルとドラムは汗をかいていますよ。でも長谷川さんは日頃は運動してないと思う(笑)。ドラムの体力はドラムでつけてるんでしょうね。ドラム筋とかベース筋とかあるのかも。毎朝走ってるとか、そういうストイックさは誰もないですね」
そう言って笑う田村さん。自らはヨガのインストラクターの資格も持っています。
「ヨガは呼吸と体幹が整うので、歌う体にはいいのかもしれないですね。ムダに元気になります。呼吸が整うと気持ちが上がる。そこへきて、テンパックのメンバーといると『これも歌って』といろいろ要求されるから。みんなもパワフルだし、どんどん元気になるんですよね」
新しいアルバムでも「え、この曲を歌うの?」というチャレンジがあるようですが、前回の4枚目のアルバムも、メンバーたちの歴史のこもった名曲のカバーを歌った田村さん。
「チャレンジでしたね。皆さんが関わった曲を歌うのですから」
レベッカの『フレンズ』などは、本当に日本中のある年齢層以上の人は全てが知っていそうな曲。それを自分の歌にするのはどんなに大きなプレッシャーがあったかと想像できます。
「それ、初めて言ってもらった。歌いづらかったですよ。褒めてもらえなくていいけど、嫌われないようにしなくちゃと思った。オリジナルへのリスペクトもありますから。そういうカバーアルバムを歌い、一つ意識が変わりました。違うステップへ進めたというか。今回は次のステップとして、オリジナルアルバムがあったので、それもまた超えて。もうテンパックのサウンドだったら何をやってもいいなという安心感があります。このバンドの自由さは大事にしたいですね」。