やついさんは、いつもたくさんの人や空間全体のありようを見つめている人という印象があります。場にのみ込まれない、クールさがあるのです。
『やついフェス』の次に考えているのは、もっと大きな、老若男女が集えるフェスでした。
「みんなが楽しんでくれるなら『やついフェス』は渋谷で続けつつ。違うこともやろうかなと。僕は三重県の出身なので、地元でのフェス的なものをやろうかと。『やついフェス』は音楽、アイドル、お笑いとごちゃ混ぜではありますが、ショーということに集約される。今度やりたいのは、食も含めた流通。地場産のものを流通させたい。お笑いや音楽も入れつつ、土地の面白さがすべて伝わるお祭り。大きな市場のようなね」
三重県には今、大きなフェスがないようですが、ご当地の文化や物産は素晴らしいものがたくさんあります。
「一番は伊勢神宮ですよね。そこへ奉納する伊勢海老や鮑。日本酒。素晴らしいものが揃っていて。真珠の養殖に成功したのも伊勢湾ですしね。おやつカンパニーやジャスコといった企業も発祥の地。伊賀上野には忍者の里もあります。盛り沢山でしょう」
実際にもう企画は進んでいるようです。
「今年はプロトタイプ的なことをやって、だんだん規模を大きくしていきたいですね。食や文化を巻き込むことで、老若男女が集えるでしょう。『渋谷で音楽、アイドル』という要素では来づらい人たちも楽しめる。もっと社会を巻き込みたいんです。10年後には、僕も58歳ですからね。地元の名士になって、知事を目指しますか!(笑)」。