集中力が何よりも大事なクライミングというスポーツ。そのために、彼女は香りを使っていました。
「集中力のためには、レスト、つまり休息や睡眠の質が本当に大事になってきます。精神的な疲労、気持ちの疲れを取らなくてはなりません。すごく忙しいと、交感神経が高まりすぎ、食欲も減って、脳も休まりません。副交感神経を優位にするためにはリラクゼーションが必要です。そのために、自宅にアロマテラピストの先生に来てもらい、アロマ・マッサージをうけています。疲れの状態に合わせて、香りは選んでもらいますが、入浴剤はオレンジ系、ラベンダー系、ひのきの香りの3種類からその日の気分で選んでいます」
そうして健やかに蓄えた集中力を発揮して次のホールドへと、飛ぶ。あのとき、彼女はどんな思いなのでしょう。
「時間があるとしても、1回目から思い切り飛ぶことが大事です。止めたときに自分がどういう体の状態でいるかをイメージしています。自分がどういう形になるのか。とにかく、覚悟を決めて、飛びます!」
多くの大会を経験してきた野口選手の集中力はきっとその美しい筋肉のように豊かなのでしょう。 養ってきた経験値をますますたくましいものにして、オリンピックでの勇姿につなげてもらいたいものです。
【撮影した場所】
D.bouldering Tsunashima(ディー・ボルダリング綱島)
神奈川県横浜市港北区綱島西2-2-22
パークノヴァ綱島202
電話 045-716-8414
https://www.d-b-c.jp/top/tsunashima/
取材・文 森 綾
フレグラボ編集長。雑誌、新聞、webと媒体を問わず、またインタビュー歴2200人以上、コラム、エッセイ、小説とジャンルを問わずに書く。
近刊は短編小説集『白トリュフとウォッカのスパゲッティ』(スター出版)。小説には映画『音楽人』の原作となった『音楽人1988』など。
エッセイは『一流の女が私だけに教えてくれたこと』(マガジンハウス)など多数。
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https://www.facebook.com/aya.mori1
撮影 ヒダキトモコ
https://hidaki.weebly.com/