世界中を旅してきた庄野さんは、様々な国の街角でふと感じる香りが気になるといいます。
「インドに行って、いったんネパールに行って、またインドに戻ってきたとき、街の香りがはっきり違うと気付きました。国の距離も、食べ物に使うスパイスも、近いはずなのに。人そのものの匂いなのかしら。土とか、木とか、空気の湿度とかいろんなものが関係して、混じりあったものが香りなのかもしれませんね」
大阪出身の庄野さんは、地元の駅に降りたときも、香りを感じると言います。
「懐かしい、と思うのも、香りを吸い込むからでしょう」
普段の暮らしのなかでも、季節ごとの香りを楽しんでいるそう。
「近所にジャスミンが一斉に咲く曲がり角があって、そこの花が咲くと『ああ、今年もだ!』と幸せな気持ちになるのです。花の盛りを過ぎても、まだ香るのね」
歩いてきた道。これからの道。庄野さんの道には、まだまだいろんなかぐわしい瞬間があることでしょう。
公式ホームページ
8月10日の配信詳細もこちらから。
https://shonomayo.com/
取材・文 森 綾
フレグラボ編集長。雑誌、新聞、webと媒体を問わず、またインタビュー歴2200人以上、コラム、エッセイ、小説とジャンルを問わずに書く。
近刊は短編小説集『白トリュフとウォッカのスパゲッティ』(スター出版)。小説には映画『音楽人』の原作となった『音楽人1988』など。
エッセイは『一流の女が私だけに教えてくれたこと』(マガジンハウス)など多数。
http://moriaya.jp
https://www.facebook.com/aya.mori1
撮影 上平庸文