唐木さんは、実際にはヨガでどんなふうに香りを使っているのでしょうか。
「ヨガスタジオは、生活の場でも職場でも友達と遊ぶ場でもない。だから、ここに入ったときにスィッチを切り替えるためにお香やアロマをたきます。『よし、ヨガをやろう』という心の切り替えですね。深呼吸すると、神聖な気持ちになれるように。」
確かに生活臭があると、日常の雑事を思い出してしまいそうです。
「最近、たいているのは、アロマベラ・シリーズのアロマティック・インセンスの『リラクゼーション』。香りにクセがなく、落ち着きます。生徒さんたちにも好評です。ちょうど30分で燃焼するので、瞑想するときの時計代わりにもなります。」
香皿は、唐木さんのお父様の作品。空間と香りにしっくりと似合っています。
ヨガにおいて、瞑想の時間はとても大切。しかしいきなり「無」になれと言われても難しいものです。
「脳をクリアにするのが瞑想ですが、確かにいきなりは難しいです。そこで、香りに集中するとか、斜め45度を見つめ続けるとか、自分の呼吸に意識を集中させるとか、いろんな助け舟が必要になってきます。レーズンを一個、口に含むという方法もあるし、キャンドルの炎を見つめ続けるという方法もあります。つまり、何かひとつのことに集中することで、脳をクリアにする助けをもらうわけです。そこからスタートしてもいいのです。」
眠る前に5分でも10分でも香をたいて脳をクリアにする。そんな時間が日常にあってもいいのかもしれません。
●Miroku yoga studio
千葉県佐倉市弥勒町(みろくまち)248
駐車場有り(4台)
<最寄駅より徒歩>
京成佐倉駅より徒歩15分
http://mirokuyoga.com/
●NPO法人みらいじま
http://www.miraijima.org/
取材・文 森 綾
https://moriaya.jimdo.com/
大阪府生まれ。神戸女学院大学卒業。
スポニチ大阪文化部記者、FM802編成部を経てライターに。92年以来、音楽誌、女性誌、新聞、ウエブなど幅広く著述、著名人のべ2000人以上のインタビュー歴をもつ。
著書などはこちら。
撮影 上平庸文