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バッハの愛したコーヒーの香りをカクテルにして。繊細な味と香りの物語が楽しめるホテルのバーへ
    1. コラム
  • バッハの愛したコーヒーの香りをカクテルにして。
    繊細な味と香りの物語が楽しめるホテルのバーへ

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 音楽の父、J.S. バッハの名前を冠したホテルグランバッハ。ホテルグランバッハ東京銀座2階にある、バー&ラウンジ「マグダレーナ」では、ヘッドバーテンダー、高橋司さんの香りにこだわったカクテルが楽しめます。とりわけ『コーヒー・カンタータ』という曲をつくるほどバッハが愛したコーヒーのカクテルは、カカオニブや桜のチップのスモークもかぐわしい一杯。
 高橋さんのクリエイティビティあふれるカクテルを味わいに、銀座の黄昏へ、いざ。

バッハと同時代の江戸の絵。格調高いものが響きあうホテル

バッハの愛したコーヒーの香りをカクテルにして。繊細な味と香りの物語が楽しめるホテルのバーへ

 銀座の東、昭和通りに面したホテルグランバッハ銀座は、江戸時代には木挽町狩野派の画塾が置かれていた場所にあります。それに由縁して、エントランスにもバー&ラウンジにも、狩野派の絵画をオマージュした絵が。
ホテルの名前にもなっているバッハの楽譜の展示とも調和して趣になっています。
 広報の霜山さんはこのホテルの魅力をこんなふうに語ります。

「バッハが生涯を閉じたのは1750年。そして江戸時代に絵画出版文化の基礎をつくったあの蔦屋重三郎が生まれたのが1750年だったのです。この場所が狩野派の画塾だったという事実も併せて、私たちはその歴史を大事にしています。視覚的にも、格調高い音楽の聴覚からのリラックス体験も味わっていただけるホテルなんです」

 2階のレセプションの傍にはグランドピアノがあり、実際に演奏も行われています。その奥に広がるのが、バー&ラウンジ「マグダレーナ」。
 カウンターだけではなく、ゆったりとした椅子やソファーが配されたテーブル席は、なんとも落ち着く空間です
 ヘッドバーテンダーの高橋司さんは、バッハにちなんだストーリーのあるカクテルを始め、ここでしか飲めないオリジナルカクテルをつくり続けています。

バッハの愛したコーヒーの香りをカクテルにして。繊細な味と香りの物語が楽しめるホテルのバーへ

コーヒー好きのバッハにインスパイアされてつくったカクテル『C(シー)』

 バー&ラウンジ「マグダレーナ」の壁には、バッハが作曲した『コーヒー・カンタータ』の直筆楽譜を模した絵が飾られています。バッハは曲をつくってしまうほどコーヒーが大好きだったのだそう。
 ヘッドバーテンダーの高橋さんは、バッハにちなんだカクテル『C(シー)』をつくるとき、このコーヒーからまずインスピレーションを得ました。

バッハの愛したコーヒーの香りをカクテルにして。繊細な味と香りの物語が楽しめるホテルのバーへ

「バッハのコーヒー好きにインスパイアされました。でも当時のコーヒーってすごく深煎りでゴクッとは飲めないほど苦かったらしいんですよ(笑)。だから当時のドイツでは、ハチミツを入れたりしていたらしいんです。何かを入れて美味しくする。それはそれでカクテルに似てるなと思いました」

 主役はコーヒー。そしてそこへ高橋さんが選んだベースのリキュールは、カンパリでした。

「ベースはコーヒーとココナッツウォーター。そこへオレンジピール、約60種類のハーブ・スパイスで甘さとほろ苦さのあるカンパリを。頭文字をCで揃えてカクテルの名前にもしました。そこへ低温調理で抽出したカカオニブの香りを。カカオニブはカカオを発酵させたもので、このホテルがウェルネスを大事にしていることにもつなげています。仕上げには、桜のチップでスモークをたいて演出します」

 なぜスモークなのかというのも、バッハに由来しています。

「バッハはコーヒーと同時に、煙草も好きで『バイプの歌』というのもつくっているんです。確かに煙草とコーヒーって相性がいい。でもこの煙は桜のチップで、煙草が嫌いな人にも良い香りです」

 実演していただきました。こちらは動画でご覧ください。

抹茶、梅、大葉。すべての味と香りが一体に

 もうひとつ、江戸から続く場所をイメージした、抹茶がベースのオリジナルカクテル『THE CONNECTION(ザ・コネクション)』もつくっていただきました。

「バッハが生涯を閉じたのは1750年。そして江戸時代に絵画出版文化の基礎をつくったあの蔦屋重三郎が生まれたのが1750年。この偶然って、すごいですよね。今や抹茶は和洋を問わず世界で愛されていますし、この和洋の邂逅ということをカクテルで表現したいなと思いました」

 現れたカクテルは、薄いローズ色と濃い抹茶の緑が二層になった美しい佇まい。

「上層の濃い常盤緑には、オーガニックの茶葉から作られる空禅抹茶を使っています。特別な機器でその場で挽きたての風味を楽しんでもらえます。下層のローズ色は京都蒸溜所のプレステージジン『季の美 京都ドライジン』と、梅のリキュール『季の梅』です。仕上げに香らせているのは蒸留した大葉。アマレットチェリーを添えていますので、かき混ぜるとまた違う香りと味わいが感じられます」

 ウエハーペーパーにもよく見ると日本画が。

「メトロポリタン美術館に所蔵されている狩野山雪の『老梅図襖』です。梅の木は再生の象徴なんだそうです」

 まさに和洋のいにしえがここに再生しているかのような、美しく味わいも品のあるカクテル。
少しずつ少しずつ、香りと味わいをゆっくりと楽しみたい一杯です。

バッハの愛したコーヒーの香りをカクテルにして。繊細な味と香りの物語が楽しめるホテルのバーへ

カクテルと香水の設計はどこか似ている

 繊細な感性で一杯のカクテルをつくる高橋さん。カクテルづくりは、香水をつくるのとどこか似ているようです。

「たとえば、ウィスキーもトップ、ミドル、ラスト、という3段階の味わいがあります。カクテルも最初と真ん中と最後の味と香りがあって、トータルでバランスがいいというものをつくりたい、と僕は思っているんです」

 ただ美しいだけとか、見たままに味が想像してしまえるのはつまらないと高橋さんは考えています。

「想像を裏切る味と香り、というのが面白いじゃないですか。先入観とかイメージとは全然違ったなというサプライズを一杯に込めたいんです」

 今回つくっていただいた『C』は、コーヒーだけではない、チョコレートのアロマも感じられる豊かな味わいがありますし、『CONNECTION』も抹茶の爽やかさだけが残っていて、ほのかなものを掛け合わせた品があります。

「香水や空間の香りも同じじゃないですか。すべてのバランスが良くて、しかもほのかな方がいいでしょう」

 ほのかなもの。さりげないもの。それを表現するためには、たくさんの知識から一つを選ぶセンスと繊細さが必要です。
 高橋さんのカクテルにあるそんなセンスと繊細さ、物語を味わいに銀座へ足を運んでみてはいかがでしょう。

バッハの愛したコーヒーの香りをカクテルにして。繊細な味と香りの物語が楽しめるホテルのバーへ


●ホテルのインフォメーション
所在地: 〒104-0061 東京都中央区銀座5丁目13番12号
電話番号: 03-5550-2222(代表)
WEBサイト:【公式】ホテルグランバッハ東京銀座 | バッハとウェルネスキュイジーヌがお迎えする都会のオアシス
アクセス:東京メトロ銀座線・丸ノ内線「銀座駅」より徒歩4分
東京メトロ日比谷線・都営地下鉄浅草線「東銀座駅」より徒歩1分

バー&ラウンジ「マグダレーナ」(2F)
営業時間:19:00 ~24:00 (フードL.O.23:00 / ドリンクL.O.23:30)
※木・金・土曜日のみ 17:00-25:00 ラストイン 24:00(L.O.24:30)


photo by Yumi Saito
https://www.yumisaitophoto.com/
Text by Aya Mori


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