小仲 今、中原さんは、そのコンランの日本代表としていろんなチャレンジをされてて、昨年オープンした代官山店、麻布台ヒルズの(ザ・コンランショップ 東京店)全国で7店舗と展開されています。今後の日本のザ・コンランショップは、どんなイメージですか。
中原
どれくらい本国とも調整できるかというのはありますが、アジアにあるザ・コンランショップという意味を、もうちょっともたせたいですね。
アジアだからできることをもうちょっと突き詰めたい。もちろん、本国からの商品と合わせて、ミックスするというか。
以前からアジアの素晴らしいものはあったのですが、今後さらにアジア、日本の良いものを見せて、逆に本国に紹介していきたいなという想いはあります。
小仲 当初の日本でのザ・コンランショップは、本国で決められたものがそのまま入ってくる、というイメージがありました。なるほど日本だけじゃなくて、アジア各国の素材も入れていく、と。
中原 そう、それで始めたのが代官山のお店です。あそこは本国のものをほぼ扱わずに、アジアのものだけでやっている。
小仲 アジアというと、中原さんが特に気になっている場所はどのあたりですか。
中原
アジア全体です。
アジア各国の友人や知り合いにも協力してもらっています。
彼ら彼女らを僕は勝手にコンラン・アンバサダーだと言っているんですが。彼ら彼女らを通じて僕らが何に出会うかを見つけるんです。間に入る人も、僕らの要望を聞いて、すごく考えるし、そういうリサーチもしてくれます。僕らも現地に行ったとしても、3日とか1週間、居られるかどうかなので。全体の国をくまなく見ることはできないので、そういう軸になる人が大切です。
小仲 なるほど、どんな国にあっても、やっぱり人が大切なんですね。
中原
そういうコミュニティーが作れたらいいなと思っています。自分の夢としては、もっとアジアの国々に進出できたら面白いなと。
そしてそうなった時に、ま、そういう人たちが、なんていうかな、こう、情報源になり、ハブになり、その国のお店の重要な人になってくれるといいなと思っています。
小仲 今の時代ならではのことをしようとされていますね。
中原
昔とは全然変わりましたよ。アジアってOEM先みたいなイメージがありましたが、今は彼らも全く変わってきています。家具メーカーなどでも、ヨーロッパでデザイン教育を受けて自国へ戻り、リブランディングしたりしているんですよ。それで、デザインする人間は、やはりヨーロッパでデザインを学んで帰ってきている。デザイナーが建築などやりながら、プロダクトデザインもそことメーカーが結びつくようになっているんです。
だから値段的には他の国よりも良心的です。他のブランドと、海外のブランドと同じような質で肩を並べていて、個人的に見ても面白いです。
小仲
そういうことができるようになってきていますね。
タイ、ベトナムとかもそうだと思いますけど、景気がいい国はどんどん変わっていくかなと思います。生活スタイルも変わっていっているでしょうし。
中原 そうですね。一方では、すごく昔からあるものを大切につくる、クラフト的な視点でものづくりをする人たちも増えていますし、そういうのはやはり日本から派生したんじゃないかなと思います。