レコーディングスタジオは、気が休まる場所を選んだという遊佐さん。
「換気ができて、古くからの知り合いでというスタジオを選びました」
集まるスタッフが安全なようにとの思いもあり、ありとあらゆる感染対策を試みた様子。
「強風が出せる扇風機や、プラズマクラスター、自分の花粉症にきくスプレーを振りまいたり。
本当に誰も感染者が出なくて良かったと思います」
ハーブの香りも役立ったようです。
「ラベンダーやローズマリーは殺菌作用もあると言いますし。私は東北出身だからか、肌が薄くてセンシティブなので、ハーブに助けてもらうことは多いですね。精神を集中させるためにパチュリやミントも使います」
思い出の香りは、箱根の富士屋ホテルの香り。
「富士屋ホテルのティールームでお茶を飲むのが好きで。こじんまりとしていて、大袈裟でない感じがいいのです。その空間になんとも言えないいい香りが漂っていて。自然の緑の空気と相まって、それが良いのかも。パチュリが入っているような気がします。墨汁っぽいような香りもします」
もう一つ、遊佐さんならではの気分転換の方法がありました。
「Instagramでも『雲の時間』というタイトルを付けているのですが、私は雲を見るのが好きなんです。晴れた青い空の真っ白な雲。風の強い日に倍速で流れていく雲。夕暮れは黄金色に変わる雲。雲は今、ここにいるんだけれど、ここじゃないところへも連れて行ってくれる。瞬間的に見えるものが変わるので、リセットされる気がします。移り変わっていくことがくれるリラクゼーション。それは香りにも通じるのではないでしょうか。いつかコロナが収まるときが来る。その日まで、いろんな不自由に立ち向かうエネルギーをもらえる気がします」
そういえば『潮騒』の1曲1曲も、聴くときによって表情が違ってみえるように感じます。
雲を見ながら、香りを味わいながら、聴く。そんな時間は誰にとっても、この先の見えづらい「今」を過ごすためにも必要そうです。
待望のニューアルバム『潮騒』リリース決定!
『潮騒』 遊佐未森
2021年6月23日(水) 発売
ヤマハミュージックコミュニケーションズ
初回盤 CD+Blu-ray YCCW-10388/B
通常盤 CD YCCW-10389
商品ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/B091FSWVTD
■遊佐未森オフィシャルホームページ
https://www.mimoriyusa.net/
■ヤマハミュージックコミュニケーションズ
https://www.yamahamusic.co.jp/s/ymc/news/detail/1279
遊佐未森とduo MUSIC EXCHANGE ~REMO-MIMO 2021~
member:遊佐 未森 (Vo&Key) 楠 均 (Per / Cho) 西海 孝 (G / Cho)
2021年 5月19日(水) 東京:渋谷duo MUSIC EXCHANGE
open 17:30 start 18:15
http://duomusicexchange.com/duosupportprojects/yusamimori3/index-yusamimori3.html
【本件に関するお問い合わせ】
duo MUSIC EXCHANGE TEL:03-5459-8716
取材・文 森 綾
フレグラボ編集長。雑誌、新聞、webと媒体を問わず、またインタビュー歴2200人以上、コラム、エッセイ、小説とジャンルを問わずに書く。
近刊は短編小説集『白トリュフとウォッカのスパゲッティ』(スター出版)。小説には映画『音楽人』の原作となった『音楽人1988』など。
エッセイは『一流の女が私だけに教えてくれたこと』(マガジンハウス)など多数。
http://moriaya.jp
https://www.facebook.com/aya.mori1
撮影 初沢亜利(はつざわ・あり)
1973年フランス・パリ生まれ。上智大学文学部社会学科卒。第13期写真ワークショップ・コルプス修了。イイノ広尾スタジオを経て写真家として活動を始める。
東川賞新人作家賞受賞、日本写真協会新人賞受賞、さがみはら賞新人奨励賞受賞。写真集に『Baghdad2003』(碧天舎)、『隣人。38度線の北』『隣人、それから。38度線の北』(徳間書店)、『True Feelings』(三栄書房)、『沖縄のことを教えてください』(赤々舎)。
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