そのさだまさしさんのトリビュートアルバムに『虹~Singer』という曲が収録されています。雪村いずみさんの40周年のためにさださんが作られた歌だそうです。「こんなにも長い間、何故歌ってきたのかしら」という始まりの歌詞は、岩崎さんが45周年で感じた思いと一致していたようです。
「本当に、こんなに歌い続けてこられるとは思っていませんでした。どうも以前は『50歳で辞める』と言っていたようです。40歳くらいから甲状腺の持病があって、続くかなと不安な時期もあったのです。でもこの頃は元気になって、歳を重ねるほどに、歌詞の深みというものもわかってくるし、一歩引いて、落ち着いて歌うこともできるようになってきました。」
7月からはコンサートツアーも再開。
「人前で久しぶりに歌いました。テレビに出させてもらうのも楽しいけれど、コンサートって、一人ひとりのみなさんがわざわざ時間を作って来てくださる。その想いがありがたいし、嬉しいですよね。生で人と向き合っている空気感も味わえます。9月4日には、地元のティアラこうとうで歌います」
楽屋では、いつも伽羅のお香をたいているとのこと。
「とても落ち着くのです。30歳を過ぎて、お香に興味を持ち始めました。北海道で伽羅の香木と出会って、刻んで使っています。巾着に入れた香炉と、電気香炉を持ち歩いていて。うちには神棚も仏様もあるので、お線香もあげています。普段はバラの香りとか可愛らしい香りのお線香ですが、自分の大事な人の命日やコンサートがあるときは、伽羅を手に取っていますね」
今の岩崎さんと向かい合ってお話を伺っていると、伽羅のような本物の香りは、人にも染み込むのかもしれない、と思えてきます。
この先、死ぬまで歌いたいですか、と尋ねると「この先ですか」と、ちょっと断言できないという茶目っ気のある表情をした岩崎さん。
歌声のために、夏は冷房をつけて寝ることもせず、冬も乾燥に気をつけ、過度に暖房を入れないように心がけているそうです。
「…できる限りは。若い頃の声はきんきんしていたから、そういう意味では落ち着いて聴いていただけるかもしれませんね」
成熟の時を迎えた人の歌声は、稚拙なことの多い今の世の中に必要不可欠でしょう。岩崎さんの歌声の価値は、ますます高まっていきそうです。
aiwa/KINUJO presents
岩崎宏美コンサートツアー ~太陽が笑ってる~
日程 | 会場 | 会場 | 開場 | 開演 |
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8月25日 (水) | 福島 | 南相馬市民文化会館ゆめはっと | 16:00 | 16:45 |
9月4日 (土) | 東京 | ティアラこうとう(大ホール) | 16:30 | 17:30 |
9月11日 (土) | 埼玉 | 和光市民文化センター (サンアゼリア) (大ホール) | 17:00 | 18:00 |
9月15日 (水) | 長野 | キッセイ文化ホール (長野県松本文化会館) | 17:30 | 18:30 |
9月22日 (水) | 長野 | ホクト文化ホール (長野県県民文化会館) | 17:30 | 18:30 |
10月2日 (土) | 東京 | たましんRISURUホール (大ホール) | 16:30 | 17:30 |
10月30日 (土) | 岡山 | 岡山市民会館 | 17:00 | 18:00 |
11月3日 (水・祝) | 神奈川 | 相模女子大学グリーンホール (大ホール) | 16:30 | 17:30 |
11月7日 (日) | 山梨 | 桃源文化会館 桃源ホール | 15:30 | 16:00 |
「宝くじまちの音楽会」岩崎宏美with宗次郎
~心のふるさとを求めて~
日程 | 会場 | 会場 | 開場 | 開演 |
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8月29日 (日) | 香川県 | ハイスタッフホール 観音寺市民会館 | 16:30 | 17:30 |
10月9日 (土) | 富山県 | 黒部市国際文化センター コラーレ カーターホール | 16:30 | 17:00 |
■アコーステックライブ
日程:2021年8月6日(金)・7日(土)
会場:大阪・Billboard Live OSAKA
日程:2021年8月14日(土)・15日(日)
会場:東京・COTTON CLUB(コットンクラブ)
メンバー:岩崎宏美(Vo)、青柳誠(Pf)、古川昌義(Gt)
その他:全席指定
■CBCテレビ開局65周年/名古屋市公会堂開館90周年
NAGOYA JAZZ WEEK 2021
「Hiroko Kokubu’s 『PIANO PARTY』with Hiromi Iwasaki」
国府弘子スペシャルトリオ ゲスト 岩崎宏美
【日程】2021年8月28日(土)
【会場】愛知県・名古屋市公会堂
【時間】開演:15:00
チケット一般発売日:7月10日
出演:国府弘子スペシャルトリオ
国府弘子(ピアノ)八尋洋一(やひろよいち)(ベース)岩瀬立飛(いわせたっぴ)(ドラム)
ゲスト:岩崎宏美(ボーカル)
※詳細に付きましては、岩崎宏美公式HPをご確認ください。
取材・文 森 綾
フレグラボ編集長。雑誌、新聞、webと媒体を問わず、またインタビュー歴2200人以上、コラム、エッセイ、小説とジャンルを問わずに書く。
近刊は短編小説集『白トリュフとウォッカのスパゲッティ』(スター出版)。小説には映画『音楽人』の原作となった『音楽人1988』など。
エッセイは『一流の女が私だけに教えてくれたこと』(マガジンハウス)など多数。
http://moriaya.jp
https://www.facebook.com/aya.mori1
撮影 初沢亜利(はつざわ・あり)
1973年フランス・パリ生まれ。上智大学文学部社会学科卒。第13期写真ワークショップ・コルプス修了。イイノ広尾スタジオを経て写真家として活動を始める。
東川賞新人作家賞受賞、日本写真協会新人賞受賞、さがみはら賞新人奨励賞受賞。写真集に『Baghdad2003』(碧天舎)、『隣人。38度線の北』『隣人、それから。38度線の北』(徳間書店)、『True Feelings』(三栄書房)、『沖縄のことを教えてください』(赤々舎)。
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