夜の番組に向けてテンションを上げていく生活パターンのなかで、落合さんは目覚めに香りを有効に使っているようです。
「香りは生活の中で大切な存在です。朝起きた時は、ミントやオレンジのアロマを使うことが多いです。最近はまっているのは、お風呂に入るときに、檜の香りを使うこと。メロウな感じの曲や環境音楽をかけて、目を瞑っていると、檜の露天風呂に入っているような気持ちになれます。ついついのぼせるほど入ってしまったり(笑)」
香りは落合さんのさまざまな思い出も蘇らせるよう。アメリカにいた時の思い出の香りは、青々とした芝生の香り。
「ケンタッキー州という、中東部の田舎に住んでいたのです。ブルーグラスステイトという場所の名の通り、青々とした芝生が広がっていて、初夏の時期の朝早い時間の青い香りがとても好きでした」
高校時代、声変わりをした時、自分の声が低くなっていくのが好きじゃなかったことも思い出しました。
「友人の家に電話をかけて留守電を残したら、その友人の親戚のお姉さんがたまたま聴いて『この子、いい声をしているね』と言ってくれたそうなんです。そのお姉さんは何をしている人かと聴いたら、FM大阪でも喋っておられた樹原マユミさんというDJだった。いつか大阪で話したいなあと思っていたのですが、2011年に亡くなっていたそうです。今思うと、その彼女のひと言って、僕にとっては心のどこかで自信をもらっていた気がします」
大阪との微かな縁がそこにもあったのかもしれません。
「大阪に来たらソースの香りがするかと思っていたけど、違いますね。時々、海の香りというか、水の香りがします」
そんな大阪から、落合さんは世界へ向けて語りかけていくのでしょう。
「2年前に全く想像できなかった現在。本当にどうなるかわからない時代ですよね。だから日々を大切に積み重ねていくことを大事にしたいし、日本の音楽を遠く離れた人にも届けられるDJになりたいですね」。
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取材・文 森 綾
フレグラボ編集長。雑誌、新聞、webと媒体を問わず、またインタビュー歴2200人以上、コラム、エッセイ、小説とジャンルを問わずに書く。
近刊は短編小説集『白トリュフとウォッカのスパゲッティ』(スター出版)。小説には映画『音楽人』の原作となった『音楽人1988』など。
エッセイは『一流の女が私だけに教えてくれたこと』(マガジンハウス)など多数。
http://moriaya.jp
https://www.facebook.com/aya.mori1
撮影 一二三泰正(ひふみ・やすまさ)
広島県出身。大阪在住。
報知新聞大阪本社へ写真部入社。入社間もなく文化部に配属。いわゆる「スポーツ紙」の文化・芸能・レジャーを担当する新聞記者として10年間勤務。並行して写真撮影も兼務。
同社を退職後、取材先であった吉本興業へ転職。
最初の赴任地である東京支社で4年間、プロデューサー・マネージャーとして活動する傍ら、社内案件のイベントやタレントの宣材写真を撮影しながら、なんばグランド花月のポスター・チラシ製作にかかわる。
退職後はフォトグラファーとして独立、中崎町での個展を皮切りに、フリーでの撮影業務受託を開始。