香りの話になると「いい香りとは真逆なんですけど」と、こんなエピソードが。
「車が好きで、レースをやっていましたから、最近の車に乗っていると、ふっと昔の車の匂いを忘れそうだな、と思ってしまう。『男と女』というアルバムのジャケットを撮ったとき、大阪の友人がスカイラインGTRを貸してくれたんですね。ちょっと運転したら、臭いんです。ガソリンやオイルの臭い。でもその臭いに車のもっている熱気が伝わってくる。今の車は臭ったらヤバいですけど(笑)」
ふと思い出す香りは、きんもくせいの花の香り。
「高校生の時に、自転車通学をしていたんです。秋にいつもきんもくせいの香りが漂ってくる家があって。そこはかとなく。いい香りだなと。今、日常では、コーヒーの香りに癒されますね」
昨年の11~12月は、新型コロナで延期や中止になったコンサートやライブが集中してしまい、大変な過密スケジュールだったとか。稲垣さんの心を癒していたのは、美味しいコーヒーの香りだったのかもしれません。
「なんとか乗り切れてほっとしました。今年も40周年ツアーが続きますので、今まで足を運ぶことに躊躇されていた方々も、足を運んでもらえたらと思います。少しはそういう気分になってきたかな。時代を超えて、聴いていただけたら嬉しいです」
丁寧に歌と向き合い、独自の伝えかたを磨いてきた稲垣潤一さん。永遠の瞬間を歌うラブソング・シンガーの歌声を、今こそ生で聴いてください。
40th Anniversaryコンサート2022
日程 | 会場 | 会場 | Open | Start |
---|---|---|---|---|
4/17 (日) | 《神奈川》 | 鎌倉芸術館 | 17:00 | 18:00 |
6/11 (土) | 《千葉》 | 習志野文化ホール | 16:45 | 17:30 |
6/18 (土) | 《埼玉》 | サンシティ越谷市民ホール 大ホール | 16:45 | 17:30 |
9/3 (土) | 《神奈川》 | よこすか芸術劇場 | 16:45 | 17:30 |
ニューアルバム情報
3月30日発売
『稲垣潤一 meets 林哲司』
https://www.universal-music.co.jp/inagaki-junichi/products/uicz-4601/
取材・文 森 綾
フレグラボ編集長。雑誌、新聞、webと媒体を問わず、またインタビュー歴2200人以上、コラム、エッセイ、小説とジャンルを問わずに書く。
近刊は短編小説集『白トリュフとウォッカのスパゲッティ』(スター出版)。小説には映画『音楽人』の原作となった『音楽人1988』など。
エッセイは『一流の女が私だけに教えてくれたこと』(マガジンハウス)など多数。
http://moriaya.jp
https://www.facebook.com/aya.mori1
撮影 萩庭桂太
1966年東京都生まれ。
広告、雑誌のカバーを中心にポートレートを得意とする。
写真集に浜崎あゆみの『URA AYU』(ワニブックス)、北乃きい『Free』(講談社)など。
公式ホームページ
https://keitahaginiwa.com