日本にいる間はご実家のある名古屋に拠点を置き、全国津々浦々へとコンサート・ツアーに忙しい八神さん。
「帯広、鹿児島、新潟。港のある町は異国情緒があって、カリフォルニアを思い出します。歴史の中で、外からの文化が入ってくる場所ですから、そこに感じるものがあるのかもしれません」
そういえば、八神さんの音楽には初期の頃からラテンやジャズ、アフリカン等々、各国のリズムやムードがさりげなく取り入れられていた気がします。
「好きか好きじゃないかで選んできました。感受性は人一倍強いのかもしれません。思いきりハッピーになったり、思いきり悲しくなったり、自分でもて余すこともありますが。歳を重ねて、自分の良さも足りない部分も痛切にわかってきました。そういう自分のことがどんどん好きになってきたし、そういう生き方をしてきてよかったとも思っています」
八神さんのそんな思いが、さらに歌と歌声を深いものにしているのでしょう。
「年齢に縛られることなく、生涯現役で歌いたいです。そう決めてから、自然に物事がそう運んでいるようにも思えます。自分が歌いたい作品、歌いたい世界を描くことができますし、こっちだな、と位置付けられます。皆さんに支持してもらうためには、共感もできる部分ももって、同じような経験も積んで、歌にしていきたいですね」
スタンダードの名曲に、チャップリンが歌った『Smile』がありますが、八神さんはその歌に日本語でこんな歌詞をつけました。
♬思うようにならないことばかりで 涙が枯れたなら
その微笑みは あなたに降り注ぐ太陽になるから
思いきり味わう八神さんの人生からシンプルにこぼれでた言葉が、胸に響きます。私たちはまた、その歌声をやっときた春の日の太陽のように思うのです。
撮影 事務所様提供
▼公式URL
https://junkoyagami.com/s/yj/
▼近々のコンサート情報
2022年4月14日 | 東京都【中野】 | 「八神純子Live キミの街へ 〜for all living things〜」 |
2022年4月16日 | 東京都【小平】 | 「八神純子Live キミの街へ 〜for all living things〜」 |
2022年4月30日 | 兵庫県【兵庫】 | Renaissance Classics 八神純子 Premium Symphonic Concert -Wings for the future- |
取材・文 森 綾
フレグラボ編集長。雑誌、新聞、webと媒体を問わず、またインタビュー歴2200人以上、コラム、エッセイ、小説とジャンルを問わずに書く。
近刊は短編小説集『白トリュフとウォッカのスパゲッティ』(スター出版)。小説には映画『音楽人』の原作となった『音楽人1988』など。
エッセイは『一流の女が私だけに教えてくれたこと』(マガジンハウス)など多数。
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