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    第145回:大竹寛子さん(現代日本画家)

《4》今の感情を咄嗟に動かす、香りの力

 風景との出会い、アートとの出会い、人との出会い。まるで蝶が花に止まるように、大竹さんが存在する場所は、パッとそこに光が射すかのよう。その存在感を磨くものに旅は欠かせません。

「昔から神聖な場所は好きです。伊勢神宮のような、背筋が伸びる場所。御神木があるような。松、ヒバの木の香りは良いですね」

 9月からはヨーロッパへ。

「イタリアでヴェネチア・ビエンナーレを、ドイツでドクメンタを。世界最先端のアートを感じ取ってきます。コレクターも来ているし、人と人との繋がりもあって楽しいんです」

 またアーティスト本人のアトリエに立ち寄ることも。

「普段聞くことができない話も、アトリエでなら聞くことができたりしますから」
 日常を変える魔法は、旅以外にも。

「料理、音楽、そして香り。日中でもアロマ・キャンドルをたいたりすることもあります。昼間はレモングラスなどの爽やかな香りを。夜は甘みのあるイラン・イランなどを。昼間の持ち運び用には、液状のオーデコロンではなく、バームを使っています。塗ると、ほのかに自分だけに香ります。カフェとかにいても、ちょっと手首に塗ったりできます」

 日本未発売のそのロンドンのバームの名前は「SCENTRED(センタード)」。自分に向けての香り、という意味だそう。日本へは12月頃、上陸するそうです。

「アロマの香りを嗅ぐと、芳香成分が鼻の粘膜から脳に伝わって自律神経を刺激し、それが私たちの心や身体に快・不快の感情を与えるといわれています。 さらに嗅覚は視覚や聴覚などを含む「五感」の中で、唯一「情動」(怒りや悲しみなど一時的で急激な感情の動き)に伝わるといわれています。
一言で香りといっても、とても深く他の感覚器官よりもセンシティブに感情の動きにまで繋がっています。そんな香りは日常生活の中でとても重要だと考えているからです。
また記憶と結びついているのも興味深いです」

 揺れ動く全ての物事のなかに永遠を見いだす人の言葉は、とても純粋です。大竹さんの絵はこれからますますその中心に向かっていくのでしょう。作品とともに、その佇まいの美しさも心に残りました。

大竹寛子さん

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大竹寛子さんの公式ホームページ
http://www.hiroko-otake.com/


取材・文 森 綾
フレグラボ編集長。雑誌、新聞、webと媒体を問わず、またインタビュー歴2200人以上、コラム、エッセイ、小説とジャンルを問わずに書く。
近刊は短編小説集『白トリュフとウォッカのスパゲッティ』(スター出版)。小説には映画『音楽人』の原作となった『音楽人1988』など。
エッセイは『一流の女が私だけに教えてくれたこと』(マガジンハウス)など多数。
http://moriaya.jp
https://www.facebook.com/aya.mori1

撮影 萩庭桂太
1966年東京都生まれ。
広告、雑誌のカバーを中心にポートレートを得意とする。
写真集に浜崎あゆみの『URA AYU』(ワニブックス)、北乃きい『Free』(講談社)など。
公式ホームページ
https://keitahaginiwa.com


2022.9.26 written by 森綾
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