綺麗を追求するために、役立てたいのが香りの効果。
「香りって気分にとって大事ですよね。最近は、化粧品も自然な香りのものが増えましたね。ただナチュラル系コスメでも、香りがきついと思うのもありますよ。ナチュラルであればいい、というものでもないですね。昔は海外コスメの香りがダメ、というような声を聞いたこともありましたが。私自身は、髪の毛の香りがすごく気になりますね」
好きな香りはアロマ系のサンダルウッドやフランキンセンス、パチョリ。
「私はスッキリ系がいいですね。でも息子は自分がこの香りが好きという柔軟剤を買ってきて使っています。私はその香りがきつくて苦手なんで…。夫婦げんかみたいになります(笑)。汗臭い年頃だから、そのコンプレックスがあるのかもしれませんね」
これからは男性女性に関係なく、なりたい自分を意識する時代なのかもしれません。
「こんなふうに見られたい。綺麗になりたい。男女問わず、まず自分に無頓着にならないことだと思うんですよ。プロ野球の大谷選手が化粧品のメーカーのコマーシャルに登場する時代ですからね。綺麗になりたいって思うのは、いいことだと思います」
老若男女、表に出る人たちをメイクしてきた岸さんの仕事もますます増えそうです。
「80代で綺麗な女優さんも見てきました。今、私は56歳。自分がこの先どうなっていくのか、いつまでメイクを楽しめるのか、と考えます。今のところは、美容医療系じゃないことを発信していきたい。もはや”化ける”より、自然で可愛い、自分らしいメイクを提案していきたいと思うようになってきました。ファンデーションも省いていく傾向で。本当に綺麗な人はシワがあってもシミがあっても綺麗です。そういう人間になりたい。外見に関する発信をしていますが、自分が追求する美しさは内面としっかりリンクしているものだと思います」
透明感のある笑顔が、年齢を超越している岸さん。「大人の女性のために」と、役立つ情報を惜しげなく伝えてきた懸命な姿勢が作り出した笑顔なのかもしれません。
以前、ある化粧品メーカーのCMで「美しい50歳が増えると、この国は変わると思う。」というコピーがありました。まさに今、そんな時代を「ヘアメイク職人_化け子」が牽引しているのです。
●YouTube公式チャンネル
ヘアメイク職人_化け子の駆け込み寺
●サブチャンネル
化け子🤍いきまーす
●スペシャルインタビューの様子
取材・文 森 綾
フレグラボ編集長。雑誌、新聞、webと媒体を問わず、またインタビュー歴2200人以上、コラム、エッセイ、小説とジャンルを問わずに書く。
近刊は短編小説集『白トリュフとウォッカのスパゲッティ』(スター出版)。小説には映画『音楽人』の原作となった『音楽人1988』など。
エッセイは『一流の女が私だけに教えてくれたこと』(マガジンハウス)など多数。
http://moriaya.jp
https://www.facebook.com/aya.mori1
撮影 萩庭桂太
1966年東京都生まれ。
広告、雑誌のカバーを中心にポートレートを得意とする。
写真集に浜崎あゆみの『URA AYU』(ワニブックス)、北乃きい『Free』(講談社)など。
公式ホームページ
https://keitahaginiwa.com