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• スペシャルインタビュー「今、かぐわしき人々」
  第165回：国府弘子さん（ピアニスト、作曲家、編曲家）

《４》アドリブやインプロビゼーション。ジャズだからこその”共犯意識”の面白さ

　国府さんにとって、ジャズピアノと作曲への愛情は歳を重ねるほどに深まっていくもののようです。

先ごろ、学生時代の同窓生だったクラシックピアノの第一線で活躍する小川典子さんと共演したときのことを語ってくださいました。

「私は手が小さくて、音大時代にラフマニノフの曲を弾こうとすると、手を広げる練習から始めなくてはならなかったんです。それより、自分の手にあった曲を作って、どう表現するかにもっと集中したい。ジャズに行ったのは、そういう理由もありました。久しぶりに共演が決まったとき、私が小川さんにずっとクラシックの腕を磨いてきてすごいね、演奏素晴らしいね、と言うと、彼女は私にこう言ってくれました。『ヒロコが譜面を書いてくれたらなんでも弾く。でも結局、ヒロコが牛耳ってるんだってば（笑）』と。クラシック奏者に譜面を書いて、その磨き上げた腕前で弾いてもらうのは本当にワクワクする作業ですし、一方ジャズ奏者と譜面などナシで、即興インプロビゼーションをする“共犯意識”みたいなものも楽しくてたまらない時間です」

　演奏活動がなくなったコロナ禍の２年目、突然やりたい、と思ったのは、リスペクトするクラシック奏者と、即興のジャズ演奏をする仲間を両方集めてのコラボレーションでした。

「自分が音大卒業までクラシックの名曲に親しみ、同時にジャズにも恋したことが両方いかされる、クラシック奏者とアドリブ奏者のユニットをやってみたいと思いました。それが『ファンタスティック８』なんです」

　7月17日にはアクトシティ浜松で、この８人編成のコンサートが開催されます。

「60才を超えると、しばらく疎遠だった人ともまた再会の喜びがあったりする。歳を重ねるのはいいものですね。80歳くらいになったら、私もちょっと値打ちが出てくるかな？（笑）」

　インタビューの最後に、36年前のデビューアルバム『More Than You Know』から『Lady moonlight』という曲を弾いてくださいました。

　たゆとう大河の上に注ぐ遮るもののない月光が、心に広がりました。まさに優しく注ぐような、国府さんのピアノの音色のように。

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●国府弘子さん　公式ホームページ
http://kokubuhiroko.net

●公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCWUiuR16exp6kSlAQyI9uFA

▶︎最新作
「ピアノ・パーティ」
24thアルバム　「Piano Party」　国府弘子
[VICJ-61783] 3,000円（税抜）
～クラシックを超えジャズを超え、国府弘子が 贈る愛と祝福のピアノ・パーティ～

▶︎ライブ情報

🎹2023年6月24日[土]
東京・FOSTERホール（昭島市民会館）
岩崎宏美with 国府弘子 Piano Songs Live
開演　16:00
料金　6,000円　全席指定
【問】昭島市民会館042-546-1711
https://www.city.akishima.lg.jp/s128/010/010/020/010/iwasakiandkokubulive/20141007182742.html

🎹 2023年6月30日[金]
愛知・電気文化会館 ザ・コンサートホール
THE THREE 国府弘子×藤原道山×SINSKE
開演19:00
出演/国府弘子（ピアノ）、藤原道山（尺八）、SINSKE（マリンバ）
チケット料金/一般・車椅子席 6,000円、学生 3,000円
【特典付き指定席】
ジーコーポレーション TEL 052-661-1514
http://www.g-corporation.net

他、ライブ予定あり。

2023年9月30日(土）　渋谷JZ Brat にて、国府弘子 plays 国府弘子 vol.10開催決定！
国府弘子のオリジナル曲のみの構成で人気ライブのひとつ！
詳細は国府弘子web にて、6月末頃に発表いたします。

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取材・文　森　綾
フレグラボ編集長。雑誌、新聞、webと媒体を問わず、またインタビュー歴2200人以上、コラム、エッセイ、小説とジャンルを問わずに書く。
近刊は短編小説集『白トリュフとウォッカのスパゲッティ』（スター出版）。小説には映画『音楽人』の原作となった『音楽人1988』など。
エッセイは『一流の女が私だけに教えてくれたこと』（マガジンハウス）など多数。
http://moriaya.jp
https://www.facebook.com/aya.mori1

撮影　萩庭桂太
1966年東京都生まれ。
広告、雑誌のカバーを中心にポートレートを得意とする。
写真集に浜崎あゆみの『URA AYU』（ワニブックス）、北乃きい『Free』（講談社）など。
公式ホームページ
https://keitahaginiwa.com

●撮影協力 東京音楽堂
　リハーサルやミニサロンコンサートなど、ピアノとともに生活する人に最適な場所を提案するスペース。今回は日本橋のラウンジで撮影を行いました。
　日本橋以外に、バンド編成でのリハーサルに便利な芝浦スタジオや、桜上水の練習室などがあります。
　詳しくはサイトへ。
https://ongakudou.jp/#top-studio

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