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• スペシャルインタビュー「今、かぐわしき人々」
  第191回：浅田美代子さん（俳優、歌手）

《４》香りフェチ。そして、イヌとの暮らしが健やかさを支えてくれる

　普通の生活を大事にしている浅田さんは、香りを使うのも大好き。

「香りフェチなんです。ルームフレグランスもこだわっていて、柑橘系の爽やかな香りが好きです。部屋の場所によって、マリン系を使ったりするところもあります。入浴剤は、その日の気分で使っていますが、檜の香りも好きですね。檜でできたお風呂がいい匂いだなあと思って、檜チップスを袋に入れて使ったり。枕元にその袋を置いたりすることもあります」

　お風呂タイムを大事にしている浅田さん。

「お風呂の中が一番リラックスできますね。濡れてもいい雑誌を持って入って、あったまりながら読んだりしています。ファッション雑誌は重いし、ちゃんとした本はぶよぶよになっちゃうから嫌なので、チェックしないといけない週刊誌とかね（笑）」

　朝は愛犬とのお散歩も、楽しい時間。

「朝早いロケの時は真っ暗でしょう。それでも一応、ね。３匹いるんです。中型犬がクー。グレーのコは与作。最近来た子は、ねむちゃん。みんな保護犬で、そういうコたちが変わっていくのは楽しい。最初は尻尾下がってたのに、今は尻尾を振って寄って来てくれるし。顔がが変わってくるんですよ。たかが１匹、されど一頭。私はもう10年以上、超党派の動物愛護の議連で役員アドバイザリーをしているんです。ネグレクトされている飼いイヌをちゃんと救う制度を通してほしいし、悪徳繁殖業は捕まえてほしい。それと、飼う側の気持ちも啓蒙したい。簡単に飼って、簡単に捨てたりしないでほしいです。虐待の定義も変えてほしい。外飼いも、真夏は熱中症になって死ぬコもいっぱいいるから、室内で飼ってほしいですね」

　イヌを飼い始めたのは、お母様が亡くなったのがきっかけでした。

「母が亡くなって、引きこもりがちになった私を外へ連れ出してくれたのがイヌでした。必ず一緒に散歩しなくちゃいけないですからね」

　優しかったお母様は70歳で亡くなってしまいました。

「私はこの2月15日で68歳になるんですが、母が発病したのがその年でした。風邪のような症状で点滴に行ったら、白血病がわかったんです。母が亡くなるまでの２年間は、私に覚悟する、看取るという時間を与えてくれたと思っています。自分がその時の母の年齢になったと思うと、感慨深いです。
これからは自分の生活、健康を本当に大事していこうと思います」

　見守ること、見守られること。浅田さんは人とのそんな距離感を保つのがとても上手な方なのでしょう。普通に生きていることの素晴らしさは、彼女の演技だけではなく、そういう目に見えないものにこそ宿っているのかもしれません。

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●イベント情報
2月15日(木)　有楽町I’M A SHOW　18時開場／19時開演
浅田美代子-50th-anniversary〜清水ミッちゃん頼みの50周年〜

●公式ホームページ
https://www.t-poche.jp/artist/asada_miyoko/

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取材・文　森　綾
フレグラボ編集長。雑誌、新聞、webと媒体を問わず、またインタビュー歴2200人以上、コラム、エッセイ、小説とジャンルを問わずに書く。
近刊は短編小説集『白トリュフとウォッカのスパゲッティ』（スター出版）。小説には映画『音楽人』の原作となった『音楽人1988』など。
エッセイは『一流の女が私だけに教えてくれたこと』（マガジンハウス）など多数。
http://moriaya.jp
https://www.facebook.com/aya.mori1

撮影　萩庭桂太
1966年東京都生まれ。
広告、雑誌のカバーを中心にポートレートを得意とする。
写真集に浜崎あゆみの『URA AYU』（ワニブックス）、北乃きい『Free』（講談社）など。
公式ホームページ
https://keitahaginiwa.com

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