ジュン以外の他のメンバーにも香りの話について伺うと、なぜかみなさん、思い出と絡めてエピソードを話し始めました。
ジュジュは香水について。
「どこかへ旅行をすると、そこで香水を買うことにしています。その香りを使うたびに、その場所の思い出が蘇るから。国別にいろいろ買いました。ああ、この国の香りだったなと思い出す。日本ではシャネルの香りを買いました」(ジュジュ)
フィリップは20年ほど前、韓流ブームが始まった頃の話をし始めました。
「当時のことをメタファーとして香りで思い出すことがあります。そこにある想いは変わらないのではないかと。そんな香りのように歌える歌手になりたいです」(フィリップ)
なるべく通訳を介さないで話そうとする彼ら。でも、ヒョンミンは完全に思い出を話しました。
「韓国でも日本でも空を見上げながら思い出を整理します。日本の空は青くてインパクトを感じますね」(ヒョンミン)
ここで通訳の方から、注釈が入りました。「韓国では、思い出と香りは同じ発音なんです。そして、香りと思い出は常に繋がっているような感覚があります」と。
そこで頷いたヒョンミン。
「そう。空を見上げていると、日本の香りを思いまします」。
思い出と香り。それは、日本以上に、韓国の人たちの方が直結した感覚をもっていたのでした。
そんな豊かな感覚をもった彼らの歌声は、聴くだけではなく、五感に訴えてくる何かがあるようです。
日本語でも詩情豊かに歌うK4のハーモニーにぜひ触れてみてください。
取材・文 森 綾
フレグラボ編集長。雑誌、新聞、webと媒体を問わず、またインタビュー歴2200人以上、コラム、エッセイ、小説とジャンルを問わずに書く。
近刊は短編小説集『白トリュフとウォッカのスパゲッティ』(スター出版)。小説には映画『音楽人』の原作となった『音楽人1988』など。
エッセイは『一流の女が私だけに教えてくれたこと』(マガジンハウス)など多数。
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撮影 萩庭桂太
1966年東京都生まれ。
広告、雑誌のカバーを中心にポートレートを得意とする。
写真集に浜崎あゆみの『URA AYU』(ワニブックス)、北乃きい『Free』(講談社)など。
公式ホームページ
https://keitahaginiwa.com