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    第242回:佐々木優太さん(現代の御師)

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《2》ゲッターズさんにチャンスを逃さない言葉遣いを学んだ

 いったいどういういきさつで、ゲッターズさんと本を出すことになったのか。佐々木さんはゲッターズさんと出会ってまだ3年ぐらいだとのこと。

「3年前の12月のことでした。友人に『佐々木さん、絶対飯田さんに会った方がいいですよ』と言われて。その人が飯田さんのラジオに出演して、その後、みんなで打ち上げに行くから呼びますね』と。でもそういう打ち上げって、勝手に知らない人が来たら嫌な思いをする人もいるかもしれないでしょう。ちょっとドキドキしました。その人はうまく『お世話になっているんで』と僕のことを紹介してくれました。飯田さんは『そうですか。じゃ、生年月日と名前を書いてください』と僕を占い始めました」

 一度基本的な性格を見た後で「ちょっと待ってください」と、再度深く占い始めた飯田さん。そして佐々木さんに突然こう言ったのです。

「『なんでここにいるの』って。佐々木さんと出会う順番が違うとおっしゃるわけです。すでに佐々木さんは世の中に出ている人として出会うはずだと。『でもたぶん、誰にも知られていないでしょう。なんかおかしいな』と。それで、じっくり見てもらったら『来年の1月…。来週、運命変わりますよ』とおっしゃったんです」

 そこにいた人たちは、こんなことを言いました。

「『いや、さすがの飯田さんでもそれはズレてるでしょう。1週間後じゃなくて、飯田さんに会った今日が運命変わる日なんじゃないですか』と。すると、飯田さんは『いや、佐々木さんにとっては違う』と。それで、僕はわかりました。その1週間後というのが『マツコの知らない世界』の収録の日だったんです」

 佐々木さんは確かにその『マツコの知らない世界』で世の中の人に広く知られるところとなったのでした。

「方向が一緒だと乗せてもらった帰りのタクシーのなかで『面白い子を見つけたよ』と3本くらい番組を決めてくださいました」

 自らも7万5000人という人を占ってきたゲッターズさんがそこまで見込んだ佐々木さん。彼も、その恩義に感謝を示そうとしました。

「決めてもらった番組に出させてもらいます、と挨拶のメッセージは入れていました。でも、運命を変えるためには、もっと飯田さんの話をいっぱい聞かないとと思ったんです。で、中野の麦酒大学によくいらっしゃると聞いていたんで、お店の前まで行ったんですけど、入る勇気がわかなくて。飯田さんにLINEしたら『今、仕事でいないけど、明日はここでご飯食べてるからおいで』って言ってくださって、そこへ行けました」

 すんなり言葉通りに聞くとラッキーだなあと思う人もいそうですが、佐々木さんなりにものすごく考えて行動をしていたと言います。

「飯田さんはすごくフラットな人です。怒らないし、嫌がらないし。だから逆に一つのLINEを送るのに、何が正解だろうと思って、すっごく考えてました。正解はわからないけれど、間違いはきっとある。その間違いが自分の運気を逃すんじゃないかと。たとえば『今日、いいですか』と聞いて『今日は無理です』と返ってきて『じゃ、またお願いします』と返したら、これ、たぶん、間違いなんですよ」

 それは相手を気遣う人ほど陥りがちな間違い。

「目上の人に対して『会いたい』と自分から言ってるのに『またお願いします』は失礼なんですよ。『いつが空いてらっしゃいますか』と返さないとダメ。そういうトレーニングをさせてもらいました。その練習は今とても生きてます。大事な要件を言うのに待つことがなくなりました。その間にどんどん社会も変わっていくし、チャンスも逃げていくので」

 佐々木さんは積極的にゲッターズさんに連絡を取りました。すると、トークライブに出ないかと言ってもらえたのです。

「飯田さんがおくまんさんとやるトークライブに呼ばれたんです。その日はラジオの生放送があったのですが『生放送終わって駆けつけるので、到着は⚫︎時になりますが、それでもいいですか。よろしくお願いします』と。『生放送かぶってるんで』という言い方はしない。絶対断らないぞということを示しました」

 こうしてゲッターズさんとのトークも回を重ねて行った佐々木さん。

「ステージに出させてもらって『佐々木くんは即興で誰にどの神社みたいなのが出せるのが最大の売りだから、それをやったらいいよ』と。世の中に出ないといけない。そのきっかけは一緒にやろうと」

 それが今回の共著につながりました。

「『ボールをセンタリングするから、それが佐々木くんの頭に当たってゴールに入るから、絶対動くな』と。自分の本分を守れということですよね。売れる売れないは気にせず、ぶれるな、ということです」

 佐々木さんのポリシーからぶれないということ。それは15000社の神社から学んだことを大事に、いっそう神社と人との関わりを幸福なものにしていくことなのでしょう。

佐々木優太さん

《3》占いの根本は『こうしたいけど、どうか』と問うもの

 こうしていよいよ佐々木さんはゲッターズさんと初めての著書を出すことになりました。ゲッターズさんの五星三心占いのタイプ別に、佐々木さんがおすすめの神社の具体名を挙げています。また、神社とはどういうところなのか、そこでの参拝のしかた、心構えなどを詳しく解説しています。
 占いと神社。実はつながっているのだそうです。

「参拝するときに、パンパン、と手をたたきますよね。パンパン、と自分が手を叩くというアクションを起こして、響きが返ってくる。これが占いであり、神様のメッセージなんです。たとえば2回叩いて、1回はいい音が鳴ったけど、1回は失敗して鳴らなかった。2回とも鳴らなくて失敗した。これが占いの結果です。でも大事なことは、いいか悪いかではなく、その結果、自分はどうするか、なんです。実は神社へ参拝に上がるたびに、占いをしているんですよ」

 古事記や日本書紀には、日本の初代天皇である神武天皇が宮崎から奈良に向かう旅の途中で、自ら占うシーンもあるのだそうです。

「神武天皇は何年も旅をしたんですが、その間に一緒に来た兄弟が亡くなったり、仲間も減ったりしていきました。そこで『自分がやろうとしていることは合っているのか』と悩み、占いをするんです。でもそのときの問いは『日本のリーダーになれますか』ではないんです。『日本のリーダーになろうと思っているけれど、それは合っているか。この道を進んでもいいのか』なんです。彼は川に甕を沈め、不思議なことが起こったらこの道を進もう、何も起こらなかったらここで諦めよう、と決めました」

 さて、甕には何が起こったのか。

「川底の甕から、魚がわーッと出てきたんです。不思議なことが起こったから、自分は間違っていない。このまま進もうと思った、と。ちなみに、その魚はアユでした。だからアユは、魚へんに占うと書くようになったとそうです。奈良の山奥に今もその場所があって、丹生川上神社のあたりだと言われています。同じ名前の神社が3つあるんです。すごく清らかなところで水量がすごくて勢いがあります」

 このエピソードから、占いは「自分の意思が合っているか」を確かめるものだという起源がわかります。

「だから占いは予言とかまやかしのように捉えられて『当たるか当たらないか』を気にするものではないんです。占いの根本は『こうしたいけど、どうか』と問うものなんですね。だから、手を叩いて2回いい音がならなかっから今日はダメ、と落ち込まずに『それなりに注意して始めないといけないな』ということなんです」。

佐々木優太さん

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