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• スペシャルインタビュー「今、かぐわしき人々」
  第70回：内田滋（しげ）さん（俳優）

《４》しんどいことも「試練」という縁

　足元を固め、内田さんが虎視眈々と狙うのはどんな役なのでしょうか。

「実は僕、馬に乗りたいんです」

　思わず、え、と問い返してしまいましたが、そこには根拠がありました。

「ずっと乗馬をやっていて、北関東大会で入賞とかもしているのです。午年っていうのもあるかもしれませんが、最初から馬とはとても意思疎通ができたようで。それを生かせる役が来たら嬉しいですね」

　確かに、空気抵抗なく、まっしぐらに駆けていく内田さんの姿が想像できます。
また戦国時代の勇者になる日も遠くなさそう。
本当にやりたい役は、その芝居になくてはならない存在なのかもしれません。

「ほとんどの役者さんが、自分は役者に向いていない、と思っているのではないでしょうか。僕もそう思うときが多いです。でも仕事場の出会いが最高に面白い。僕はしんどいことも試練という名の縁だと思うのです。主役であれ脇役であれ『芝居場』のある役をやっていきたいですね」

　生涯、俳優であるために、何か別の仕事もする。そこでの出会いや葛藤も、また芝居に生かされていく。そういう面白い相互作用が、内田滋さんという俳優さんの中で始まっているようです。

◆撮影協力
内田滋さんのカレー屋さん
『かれはだれ』
東京都目黒区上目黒2-38-11-1階
☎︎03-6452-4561

「有機農産物」「安心・安全な肉」「グルテンフリー」「無添加」「スパイス」にこだわった創作カレーの店。中目黒駅から中目黒商店街に入り、先へ先へと歩いた左側。 日替わりの２〜３種類のカレーを、最後は混ぜて食べると絶品との噂。

https://www.instagram.com/karehadare/?utm_source=qr

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取材・文　森　綾
フレグラボ編集長。雑誌、新聞、webと媒体を問わず、またインタビュー歴2200人以上、コラム、エッセイ、小説とジャンルを問わずに書く。
近刊は短編小説集『白トリュフとウォッカのスパゲッティ』（スター出版）。小説には映画『音楽人』の原作となった『音楽人1988』など。
エッセイは『一流の女が私だけに教えてくれたこと』（マガジンハウス）など多数。
http://moriaya.jp
https://www.facebook.com/aya.mori1

撮影　上平庸文

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