うっすらと焦げ目のついたアスパラは、ツヤツヤと緑を深めている。
カリカリ寸前のベーコンと、卵の黄身と白身を適度に纏わせ、大城は口に運んだ。
「面白い。確かに、これはある意味、アスパラベーコンだけど」
「どれどれ」
セルジュは長い皿の上のアスパラの1本を半分に切り、自分の小皿にサクッと運んだ。この人のナイフとフォーク遣いはこなれている。
「うん。うまいね。大城くん、この店で普通のアスパラベーコンが出てくると思ったの? まだまだだねえ」
大城は、まだまだ、と言われて、素直に「ああー」と項垂れた。
「ですよね。オレ、やっぱり頭硬いっすよね」
「だなあ。もうちょっと、あそこの編集部で修行してもいいんじゃない」
「…… 修行、かあ。まだまだかあ」
そこへ、凛花がやってきた。
「こんばんはー」
凛花はバーカウンターの方へ座り、ちょっとちょっと、と、幸の耳元でささやいた。
「なんか、かっこいい人、いますね」
幸は凛花の目ざとさにくすくす笑いながらまた彼女の耳元に囁き返した。
「だいぶ、年下よ」
「いいじゃないですかあ」
凛花は思わず大きな声を出し、はっと口を押さえた。
大城が、その声にちょっと振り向いた。凛花はすかさず、にっこりと会釈した。
「ども」
セルジュは2切れ目のアスパラガスを皿に載せながら言った。
「春の味だねえ。春だ。春だ。ママ、空豆も焼いて」
「はーい」
幸は凛花のおでこを突くと、振り向いて、空豆に向かって小走りになった。
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筆者 森 綾
フレグラボ編集長。雑誌、新聞、webと媒体を問わず、またインタビュー歴2200人以上、コラム、エッセイ、小説とジャンルを問わずに書く。
近刊は短編小説集『白トリュフとウォッカのスパゲッティ』(スター出版)。小説には映画『音楽人』の原作となった『音楽人1988』など。
エッセイは『一流の女が私だけに教えてくれたこと』(マガジンハウス)など多数。
http://moriaya.jp
https://www.facebook.com/aya.mori1
イラスト サイトウマサミツ
イラストレーター。雑誌、パッケージ、室内装飾画、ホスピタルアートなど、手描きでシンプルな線で描く絵は、街の至る所を彩っている。
手描き制作は愛知医大新病院、帝京医大溝の口病院の小児科フロアなど。
絵本に『はだしになっちゃえ』『くりくりくりひろい』(福音館書店)など多数。
書籍イラストレーションに『ラジオ深夜便〜珠玉のことば〜100のメッセージ』など。
https://www.instagram.com/masamitsusaitou/?hl=ja