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    日本香堂グループ450年:小仲正克社長

13社あるグループ企業のひとりひとりの思いを大切に

 今回のプレス発表ではグループのなかの一つ、株式会社ESTEBANのドミニク・アリソン氏もスピーチをされました。日本香堂グループは海外にも香りの世界をどんどん広げています。

小仲 どの会社も本当に長い付き合いで、その流れのなかでご縁をいただいて、グループに加わってもらったという経緯があります。
 それはいろんな人の努力と歴史がそこにあるということです。例えば昨年100周年を迎えたメリカのGenieco社のRadkinsファミリーの思い、ESTEBANの創業者や、鬼頭天薫堂の創始者の思いなど。
 ひとりひとりの思いを、大切にしなければいけないと父からは常々言われました。

 グループではあるけれど、ひとつひとつの会社を大事にされていますね。うちの色に染まれ、ということはない感じがします。

小仲 それぞれ歴史があるので、一つに染まれはないですね(笑)。各社、本当に自由なんですよ。
 ただ、社数も多くなってきたので、工場などはちょっとお互いに融通するとか、研究室を連携していくような横のつながりを強化していく事も大切です。
 今回、グループアイデンティティを定めた目的の一つです。全部の会社に関わってもらって、ロゴや理念を全員で決めました。

 アートディレクターの葛西薫さんが、タイプディレクターの小林章さんに依頼されて生まれたロゴだそうですね。

小仲 葛西さんにまず言われたのが、ロゴは可読性が必要だと。

 シンプルで味わいがあるロゴですね。

小仲 当社の伝統を反映し、6世紀前後の西欧、人が手で書いていた時代の名残をとどめた書体をもとにして頂きました。良き伝統を継承しつつ、新たな風をまとわせています。新たな風については、日本香堂には「アドベンチャー精神」、「価値創造」、「美質を磨く」の3つの理念があります。それをロゴにも反映頂きました。

質感のあるイメージを保ちつつ、日本の香文化を世界に伝える企業として

 今回のプロジェクトで日本香堂のイメージはかなり新しく、また世界的な会社なのだと伝わったように思います。

小仲 実はあまり知られていません。毎日香は助成想起率が40%あり、日本香堂は50歳以上の人は半分くらいの認知率ですが、20代の人たちは10数%しか知らない。
 歴史に根ざした、質感のあるイメージは保ちつつ、日本の香文化を世界に伝え、世界の香文化を引き継ぎ、創造する企業というイメージももってもらえたら嬉しいですね。

 国内でも、鳩居堂、松栄堂と共催する「香り博」を2年連続で続けています。

小仲 今年は無印良品にも参加していただき、5月18日まで東京・銀座エリアと京都で開催中です。スタンプラリーで特製のお香がプレゼントされたり、さまざまなワークショップも去年にも増して充実しています。
 そして、初めて『香り博』限定のお香『6大陸の香り EXPO Incense』を3社で開発しました。また、先人への感謝の意をこめて開催した護国寺記念香会と同内容のワークショップや、各社それぞれ様々な香り体験会を実施します。コミュニケーションも深まり、昨年よりも深化した「香り博」になりました。是非ご参加下さい。

 香文化を伝えていく共鳴者が増えることは素晴らしいことだと感じます。

小仲 アドベンチャー精神を大切に、皆さまの心に響くような日本香堂グループでありたいと思っています。この一年、まだまだ450Projectが続きます。ぜひご注目ください。

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書籍「⽇本の⾹ The scent of Japan」
https://www.koju.co.jp/shop/products/detail/1725
書籍「⽇本の⾹ The scent of Japan」

香り博 2025.4.18~5.18まで開催
https://kaorihaku.com/
香り博


インタビュー・森綾(フレグラボ編集長)
撮影・萩庭桂太


2025.5.16 written by 森綾
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