松本さんは今、自ら歌うコンサートは大事にしつつ、イベントや他のアーティストのコンサート制作もやっています。
「畠山美由紀さんが『夜の庭』というアルバムを出されたとき、この曲の数々はプラネタリウムで聴いたら素敵なんじゃないかと思いついて。それで、コニカミノルタプラネタリウムさんに企画を持ち込んで実現しました。選曲から打ち合わせもご一緒して、当日もリハーサルから参加して。完全に裏方をやりました。アーティストの皆さんをそういうふうにサポートする仕事もコロナの前ぐらいから始めていたんです。ブッキング、コンサート制作、コンテンツの通販など、自分が力になれることがあればと、会社を立ち上げました」
音楽をトータルに作って行きたい。そう思い始めたのは、地元の秋田への想いもあります。
「今、秋田と半々の生活を送っていて、地元の様子を見ていると、どんどん若い人が出て行っちゃっている現実があるんです。じゃあ秋田にもエンタティンメントやその他の楽しいことがあったらどうなのかな、と。ここに住んでいてもいろんなものが見られたりできる、そういう場所を作りたくて。これからどのくらい時間がかかるかわからないですが、次の夢として、秋田を楽しくすることを考えています」
そして「歌うことはやめるとかやめないではない」ともはや悟った松本さんは、自ら歌うことにもさらに前向きです。
「歌っていくことはまた学びでもありますから」
歌声はその人を何より表しています。今の松本さんの歌声は、若い頃よりも芯があり、でも変わらず透明感があります。この25周年の彼女の歌声は、日本のあちらこちらにその真っ直ぐな清々しさを届けてくれることでしょう。
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FM世田谷「アフタヌーン」パラダイス 水曜日13時〜
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取材・文 森 綾
フレグラボ編集長。雑誌、新聞、webと媒体を問わず、またインタビュー歴2200人以上、コラム、エッセイ、小説とジャンルを問わずに書く。
近刊は短編小説集『白トリュフとウォッカのスパゲッティ』(スター出版)。小説には映画『音楽人』の原作となった『音楽人1988』など。
エッセイは『一流の女が私だけに教えてくれたこと』(マガジンハウス)など多数。
http://moriaya.jp
https://www.facebook.com/aya.mori1
撮影 萩庭桂太
1966年東京都生まれ。
広告、雑誌のカバーを中心にポートレートを得意とする。
写真集に浜崎あゆみの『URA AYU』(ワニブックス)、北乃きい『Free』(講談社)など。
公式ホームページ
https://keitahaginiwa.com